読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

カタダのペンギンな日々

ブログの可能性を模索する様子を見せるブログ。

文体模写(パスティーシュ)の名手清水義範/司馬遼太郎の猿蟹合戦、永遠のジャック&ベティほか

読書 ネタ
【スポンサーリンク】

1、パスティーシュ(文体模写)の元祖、清水義範を知っていますか?

どうも、カタダです。

ここ最近なんとなく、はてなブログ界隈で「文体模写」ブームが起きつつある予感がしています。

バズッたところでは、司馬遼太郎文体。

honeysuckle.hatenablog.jp

ついでに、こんなエントリも見つけました。

d.hatena.ne.jp

他にも、村上春樹文体?

 

www.moneynanpa.jp

あと、イケダハヤト文体。

penguin-diary.hatenablog.com

そして、藤沢数希文体。

penguin-diary.hatenablog.com

なんてしれっと紹介しましたが、スミマセン後ろ二つは自分の記事です(^^;

 

ところで、これら文体模写(パスティーシュという)の元祖的な存在の作家ってご存知ですか?

そう、我らが星井七億氏――

7oku.hatenablog.com

――からさかのぼること27年ほど。

 

清水義範氏です。 

1947年愛知県生まれ。愛知教育大学卒。1981年、『昭和御前試合』で文壇デビュー。1988年、『国語入試問題必勝法』により、吉川英治文学新人賞を受賞。奇抜な発想と、ユーモアあふれる斬新な切り口に定評がある。日本文学、世界文学に関する造詣も深く、幅広いジャンルで執筆活動を展開している。

(※著者プロフィールより)

 

2、「猿蟹の賦」で第一人者としての地位を築く。

彼が日本初かどうかは不明ですが、自身が「前例がなかった」と語っている(「小説家になる方法」 より)ので、とりあえず元祖として紹介します。

 

そんな彼が初めてパスティーシュ小説を世に発表したのが、「蕎麦ときしめん」収録の、「猿蟹の賦」という短編小説。

蕎麦ときしめん (講談社文庫)

蕎麦ときしめん (講談社文庫)

 

 

これは、司馬遼太郎の文体で猿蟹合戦を語るという、(今ではお馴染みだけど当時は)かなりユニークな作品です。

浜の蟹兄弟が仇討ちをしたがっている。

と、いうことは近在で知らぬ者がない。

三代昔の先祖の素行まで知れわたっているような田舎村である。村の中で秘密など持ちようもなかった。

ただ、

できるかどうか。

が、問題であった。

 

 (※中略)

 

ここで、奇妙なものが登場する。

うしのくそ、

である。

世界中の例をさがしてみても、うしのくそ、などという馬鹿なものが登場する戦いはあるまい。 

みたいな感じで、「余談」と「脱線」を繰り返しながら進む、2015年の現在に読んでも素直に笑える小説。

ちなみに同じく「蕎麦ときしめん」には、「商道をゆく」という司馬文体パロディも収録されており、こちらも必読です。

(というか、分かりやすいパスティーシュではないけど、表題作の「蕎麦ときしめん」もかなり笑える。)

 

他にも清水義範は、小林秀雄文体模写などを経て、ついには英語教科書に出てくる文体をパロディ化するという、「永遠のジャック&ベティ」という傑作も生みだします。

永遠のジャック&ベティ (講談社文庫)

永遠のジャック&ベティ (講談社文庫)

 

英語の教科書内で会話をしていた二人が、大人になってある日バッタリ再会したという設定で、繰り広げられる会話。

女性のほうが質問した。

「あなたはジャックですか」

「はい。私はジャックです」

「あなたはジャック・ジョーンズですか」

「はい。私はジャック・ジョーンズです」

こうして、三十数年ぶりに再会した二人は路上で奇妙な会話を始めた。

「オー、何という懐かしい出会いでしょう」

「私はいくらかの昔の思い出を思い出します」

「あなたは一人ですか?」

「はい。私は一人です」

「一杯のコーヒーか、または一杯のお茶を飲みましょう」

「はい。そうしましょう」 

みたいな、懐かしくも面白い会話が続きます。かなりおすすめです。

 

3、まとめ

なんとなく知らない人が多そうな空気を感じたので、オススメ作者として紹介してみました。

※当たり前ですが、上記記事をパクリだとか言いたいわけではないので。masaki0709氏の記事は「ドラクエ」と掛け合わせたのが面白いわけだし、そもそもこういった類のものは真似て遊んでよいものだと思うし。

 

僕は単純にこういう、「文章で遊ぶ」みたいなことが好きなので、もっと一大ブームが起きて、いろんな作品を観られたら楽しいなーと期待しております!

(自分もなんか思いついたら書きたいところですが。。)

 

ではでは!

 

※追記

ナナオク氏からコメントいただいました。

紹介する書籍がかぶっていた笑。

 

インタビューでも言及していますが、僕は清水義範から強い影響を受けています http://nikkan-spa.jp/884514

 

※「本物」の作品たち↓ 

夏草の賦 [新装版] 上 (文春文庫)

夏草の賦 [新装版] 上 (文春文庫)

 

 

街道をゆく (1) (朝日文芸文庫)

街道をゆく (1) (朝日文芸文庫)

 

 

小説家になる方法

小説家になる方法

 

 

【スポンサーリンク】