ついに、キラキラネームを否定してはいけない時代が到来するのか…。
どうも、カタダです。
キラキラネーム(昔はDQNネームと呼ばれていた)がネットやTVの話題に上がるようになってから、もうずいぶんと経ちました。
最近ですと、以下のような「2015年キラキラネームランキング」というものが発表されたりしています。
無料 赤ちゃん名づけ/400万人の妊婦さんが利用した子供の名付け実績No.1サイト|キラキラネームランキング
1位 皇帝 しいざぁ
2位 星凛 あかり
3位 愛翔 らぶは
だそうで。
あくまで「アクセス数の多かった名前をランキング」ということなので、実在するのかは分かりませんが。とりあえず一位の破壊力がハンパないですねw
本題ですが、以下の記事を読みまして。
実際に「宇宙(こすも)」というキラキラネームを持つイケメン男性に話を聞き、「名前で困ったことはない」という証言を取りつけたインタビュー記事です。(まあ中身を読むと「嫌に思う時もある」とか色々と書いてあるんですが。)
これを読んで、いよいよ出てきたというか、2016年の「キラキラネーム」に対する認識は、一歩前に進むのかなぁという印象を受けました。
これまでキラキラネームというのは馬鹿にするものという風に扱い方が決まっていました。が、この記事、キラキラネームを好意的に捉えているのです。
そしてこれが何を意味するかというと…、これからキラキラネームの子どもたちは、加速度的に増えていくのではないかと思うのです。
今日はそんな話を。
キラキラネームが今後広まると思える理由。
①「本人」の証言が出てくる。
上記の記事がまさにそうですが、これから実際にキラキラネームを命名された人がメディア等で意見を発するようになっていくでしょう。(そういう年齢に到達してくる。)
当たり前ですが、メディアで堂々と意見を発する人は「キラキラネームでよかった」という肯定側の人たちが大多数をしめるはずです。否定側の人は匿名で恨みつらみを発するということはあるでしょうが、堂々と、という人は少ないでしょう。
すると、ぼんやりメディアを見るような人は「ああ、キラキラネームつけても子ども後悔はしないんだ!」と認識することとなります。
②キラキラネームの「成功者」が出てくる。
①と似ていますが、キラキラネームの成人が増えてくることで、おのずとキラキラネームを持った成功者も目立ってくるでしょう。スポーツ選手や芸能人など。
すると、「やっぱり世界で活躍するには、個性的な名前をつけることが大事なんだ!」と結論づけ、成功者にならいキラキラネームをつける人も多く出現しそうです。
③キラキラネームを笑ってはいけない空気が強固になっていく。
これ、実は今でも思うのですが……。
よくテレビなんかで「こんなキラキラネームの人がいます!」と名前を紹介して笑うといった番組を目にしますが、特定可能な個人を嘲笑するって、放送倫理上アウトなんじゃないかなと…。訴えられたらBPO案件みたいになってニュースになりそうな。(さすがに最近はもうやってないのかな…)
そういう意味では、これまでのキラキラネーム——「黄熊(ぷぅ)」とか「皇帝(しいざあ)」、「泡姫(ありえる)」などが有名ですが——は、実は都市伝説のようなものだったと思う節がないでもないのですが…。
ともかく、人権意識が高まり、また当事者が議論に関わってくることで、表立った批判は難しくなるでしょう。ヘタしたら「是非」を議論することさえ難しくなっていくのかもしれません。
(この記事だってキラキラネーム当事者が見たら不快に思うかもしれません。いちおう気を使って書いてはいますが。)
こんな感じの理由で、キラキラネームが広まっていく流れは止めようがないんだろうなと思うのです。
まあ、キラキラネーム命名の最大のデメリット(リスク)は「他人からバカにされる」だと思うので、市民権を得ることでそのデメリットがなくなるなら、まあそれはそれでOKかなと思わなくもないですが……。
親にしっかりとした信念(名づけの理由)があればいいのか…?
ちなみに上記記事を読んだ時、母親の名づけへの思いを知ってホロリと来たのも事実です。
「宇宙(こすも)さんの名前の由来はなんですか?」ーー「生まれた1994年の7月に、ちょうど宇宙飛行士の向井千秋さんが宇宙に行ったんです。当時、すごく話題になっていて。そのときに『宇宙』って名前が候補に上がって。そこからいろいろ調べて、いいなと思いました」
「なるほど……! 『宇宙』と書いて『こすも』と読ませたのには、理由があるんですか?」
ーー「宇宙を意味する英語『Cosmos(コスモス)』は、調和とか秩序って意味もあるんですよ。それで、心が広くて、それでいてみんなに調和をもたらすような、そういう子に育ってほしいと思ったんです」
子どもの名づけの理由をきちんと語れる親って素敵ですね。
でも、理由があればいい、というのも違うかもしれないし。
例えば今後、「コンピュータ社会を生き抜けるように」と「英愛(えーあい)」ちゃんと名づける親とかリアルにいるでしょうし、「世界中から愛されるように」と「印星愚羅夢(いんすたぐらむ)」ちゃんと名づける人とか…いや、本当に出てくるかもしれません。
それでも僕たちは「いいよいいよ」と受け入れていくべきなのでしょうかね…?
まぁ好意的に考えれば、信念を持ってヘンな名前を名づける親って、案外しっかりした価値基準を持っているのかもしれないので、それはそれで子どもは幸せなのかも、とも思いますけど。
「名づけ」の際に絶対に意識しなければいけないこと。
ここでようやくタイトルの本題ですが。
キラキラネームをつけるのは他人に止める権利はない、と思いつつ、けれどこれだけは意識してほしいというのがありまして。それは、
「子どもはその名前を一生抱えて生きていく」
という事実です。
その名前は、赤ちゃんや、公園を走り回る子どもにはピッタリかもしれません。
けど、その子はやがて成長し大人になります。管理職として部下に説教をするかもしれないし、学者として歴史に名を残すような発表をするかもしれない。
真剣に就活に走り回るかもしれないし、婚約者の両親に気にいられようと、緊張しながら自己紹介をするかもしれない…。
親がつける名前は、その全てのシーンに影響してくるのです。
この視点は絶対に持っておいてほしいと思います。
最後に
最後に、文具メーカー「PILOT」の広告のコピーを紹介して終えようと思います。
名前は、親が子供に送る、はじめての手紙なのかもしれない。
わずか一文字か二文字。だからこそ、親は悩む。こんな子に育ってほしい。
いや、元気であれば、それでいい。
とにかく、生まれてきてくれて、ありがとう。
あふれる思いを胸に、紙に向かう。お腹の生命に語りかけながら、ペンを動かす。
何度も書いて。何度も考えて。また、書く。
そうやって、大切につけられた名前。
それは、親が子供に送る、「一通の手紙」だと思うのです。
子供たちは、人生という時間をかけて、ゆっくり読んでくれるはずです。
その「手紙」を書いた日の、両親の思いを。
一生のうちで、自分の名前ほど目にする文字は、他にない。
そう、こんなに繰り返し読まれる手紙は、他にないのです。
書く、を支える。PILOT(※「名前という手紙」篇| 企業広告 | PILOT)
名前とは、親が子供に送る「一通」の手紙。
子どもはそれを人生をかけて読む――
なのに、絵文字のような軽い内容は、ちょっとイヤかもしれませんね。
個性的な名前をつけたい心理はよく分かりますが、それにしたって限度はあるよね!?という話でした。
ではでは!
※その他の名づけ時の基本的な注意点は「名づけ事典」的な本を一冊読めば分かります。
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